コラボショーをお読みでない方は
そちらをお読み頂きこの「コラボショー(つづき)」をお読み下さいませ。
さてさて、その奇跡の出来事とは・・・
2度目のショーの中盤、「糸渡りの曲」での事。
細い糸の上を独楽が渡る、別名「お染め久松、通いの独楽」
お手伝いが必要なので
「今日お誕生日の人~」と聞くと、「T君」「T君」と声が上がり
見るとちっちゃな男の子が、手を上げていました。
T君を席まで迎えに行き、一緒にステージへ・・・
T君には30㎝四方の黒い板を渡し、両手で 水平に 持ってもらい
「右足を半歩前に出して」と言うと 反対の足が・・・
「それは左足」と 突っ込むと 会場から笑いが・・・
そんなやり取りをしながら、板の端に糸を固定し
スルスルと3~4メートル程 糸を伸ばし
糸巻きを床に置いて 準備完了!
糸渡りの独楽を手に取り、(画面左下:赤と黒の少し大きめの独楽)
T君の持つ板の上でしっかりと廻し
独楽の心棒に糸をひとからげ・・・
さてここからです。
実は左紋、内心ちょっと心配でした。
3~4メートル離れた先から糸をピンと張ると
独楽が糸を渡りを始める・・・ そんな手はずです。
しかし、このピンと張るには案外引く力が要るのです。
その引きに、T 君(年中さんかな?)が耐えられるのか?
手を離さないかな~ 大丈夫かな~
いつもならもう少し体の大きな子を選ぶのにな~
なんて思いながら糸巻きの所まで戻り
「T君頼むよ~」と心の中で叫びました。
「よし!」 との思いで糸を引くと、T君一瞬 グラッと・・・
「うわぁダメか~ がんばってくれ~」
T君持ち直しました。
「よし行ける」
すでに独楽は糸の上を1メートル程進んでいます。
「ここまで来ればもう大丈夫」と思い、客席へ視線を移しました。
すると最前列に座っていた年長さんの男の子と目が合いました。
ほとんどの人は独楽の動きを追いかけているのに
その男の子は、独楽を見ないでじっと私を見ています。
何故か視線を外すことが出来なくなり、思わずその子に向かって
♪「もう いくつ ねると~」と歌い、目で「はい」と合図を送りました。
するとその子を中心に数人の子が
♪「お しょ お が つ ~」と歌い返して来ました。
やめる訳にも行かず
私 ♪「お正月には」子供達 ♪「たこあげて~」
だんだん歌う人数が増えて
♪「こまを~まわしてあそびましょ~」もう大合唱です。
♪「は~やく 来い来い お正月~」と皆で歌いきったその時・・・
T君の所から糸を渡って来た独楽が、私の手の上にピタリ。
まさに奇跡の瞬間です。
拍手喝采! 凄いのなんの・・・
余韻に浸る間もなく、けちゃっぷ先生にバトンタッチ・・・
「お次ですどうぞ」と目で合図を送ったのですが
「えっ、私」という感じでボーッとしていました。
「あれっ、まだ独楽やるんだっけ?そっちの番じゃ?」又々目で合図。
気を取り直しショーを始めるけちゃっぷ先生。
続いて私。
最後にけちゃっぷ先生、巨大風船と巨大空気砲。
大盛り上がりで無事終了!
楽屋に戻り「大合唱、神がかり的でしたね~」と、けちゃっぷ先生。
「そうそう、歌い終わった時に独楽が手の上にピタリと乗ったしね」
音出しのスタッフも「すごかったね~」と楽屋はこの話で持ちきりでした。
デビューして25年。
一度として舞台上で歌など歌った事も無く、カラオケにも行かない私。
そんな私に歌わせ、そしてあの大合唱。やはり神の仕業?
色々考え、ふと合点がいきました。
「音楽の神様が降りてきて指揮棒を振ったんだ」と・・・
T君。そう彼の名前は ”た く と”
奇跡だ~!
最後までお付き合い頂き誠にありがとう御座います。
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どうぞお楽しみ下さい。
♪「もう いくつねると~ お正月~ ・・・」